20代と30代の狭間で

20代から30代に突入したとある日本人男子の雑記

在宅勤務中にしっくりこないと感じたこと2点

緊急事態宣言、外出自粛という中でも医療従事者をはじめ、多くの人が現場で毎日頑張っている一方、リモートワーク・テレワークという名の「在宅勤務」ができる人はそうしてくださいと政府は呼びかけている

 

なんとなくしっくりこない点が2つある

ひとつめは、リモートワーク・テレワークという言葉は本来remote・tele(遠くで)work(働く)、つまり会社という特定の場所に限定せず、(たとえ会社から離れていても)場所を問わずに働ける仕組みのことをいうのであって、決して今日本で呼びかけられている「自宅で仕事をする」ことがリモートワーク・テレワークの本質ではないということだ。

メディアをはじめ、政治家や多くの人が同義語としてこの言葉を使っているような気がする。家で仕事をすることはリモートワーク・テレワークのひとつのかたちなだけなので、オフィシャルな場でそこをイコールかのように発言してしまうのは少々残念だし、それこそ日本独自の歪曲した解釈にもとづく本質を捉えれていない働き方が生まれてしまう

 

ふたつめは、上記の在宅勤務が多くの企業で突発的にスタートし、慣れない中で自分を含め多くの人がこの働き方にフィットしていこうとしている最中だと思うのだが、緊急事態宣言に伴う休業要請・営業自粛(やること)と休業補償(やることを達成するための手段)がセットになって政府から発信されずに多くの関係者が混乱しているのと同じように、多くの企業は、コロナ騒動前に策定した売上目標等の従業員に達成してほしい内容を変えることのないまま、在宅勤務という新たな指示(やること)をとりあえず出すだけ出して、その両立の仕方やこの危機を乗り越えるためのノウハウ(やることを達成するための手段)に関しては何も触れられないまま、やり過ごしているのではないかということだ

簡単に言えば、今まで通りの業務目標・業務内容はそのままに、はい、在宅勤務してねー、でもその両立の仕方は自分たちで考えてねー、みたいな随分雑な指示の出し方をしてしまってはいないだろうかと感じてしまうのだ

もちろん、今回の危機は多くの人が予測できていなかったし、働き方に関しては欧米に大きく遅れをとる日本では余計にそうかもしれないが、それにしても初志貫徹な気持ちと臨機応変という言葉の都合の良い部分だけ組み合わせたみたいな指示の仕方では、あまりよろしくないし、現場は余計に混乱するのでは?と感じずにはいられない

 

この危機をみんなで乗り越えるのは大事だ

何も政府や企業の偉い人たちにやることを全部手取り足取り教えてくれと言っているのではない

みんなで乗り越えなければならない状況なのは百も承知なのだから、みんなで協力しながら乗り越えるための環境、仕組み、土台を用意してほしいと言っているのだ

そのためにはコロナ前の計画を柔軟に見直すことも大事だし、自分で思いつかないなら現場の人や周りの人の知恵を借りる、みたいなことも大事だし、やることの優先順位を入れ替えるといったことも必要だ

黙っている(なにも変えない、与えない)のが一番罪で、知らない間に多くの人に影響を与えてしまっていることをもっと理解する必要がある、と唐突に在宅勤務が始まった現場側では考えてしまった